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2022.09.07 更新

「少子化とスポーツ」

どーも 団長の佐藤勇一です‥№405

練習への送迎バス内は、子供たちと会話をする貴重な時間です。会話の中から子供の性格や体調などおぼろげながら知ることができるからです。また、子供たち同士の会話を聞いていても、学校の情報、友達関係などいろいろな情報が耳に入ってきます。

クラブやスクールには、秋田市全域や秋田市周辺の地域から来てくれていますが、先日は私のバスルートの子供たちに、各小学校の児童数や学年別の人数などを聞いてみました。その数を聞いて、びっくりしてしまいました。私が担当するバスルートは、秋田市中央部です。地域によって多少の差異はあるものの、学年のクラス数は1~2クラスで、1クラスが25~30人程度とのことです。秋田市中心部の小学校では、30年前は5~7クラスくらいあったと記憶しています。

私の住む雄和地域は、田園地帯ですが、数年前に4つの小学校が統合となり、雄和小学校ができました。私が小学生の頃は、4つの小学校を合計すると1学年200人ほどの児童生徒数であったと記憶しています。現在の雄和小学校の4年生は35人ほどとのことです。学年が下がるとさらにその人数は減少しているようです。このように、秋田市の中心部と田園地域では、地域を問わず子供たちの数が激減しています。秋田県全体がこのような状況ですが、これは日本全体の現象となっています。

私は、1973年からスポルティフ秋田の前進である川添サッカー少年団を設立して活動を続けてきました。川添サッカー少年団は、川添小学校の児童生徒を対象にしての学校単位のスポーツ少年団でした。昭和56年の秋田空港開港当時は、川添小学校の6年生は、2クラスであったと記憶しています。それから数年を経過すると、旧雄和町の出生数がどんどん減少していきました。私は当時、町の広報担当を拝命していましたので、毎月データーが入ってきていました。平成に入ると川添小学校区の出生数が20人というような数字となっていました。

このことは、7年後に小学校に入学するピカピカの1年生は、20人しかいないと知るのでした。厳しい現実を知らされました。男子は10人です。当時は、小学校に学校の先生が監督をして活動している野球部もありましたから、これからは農村部でのスポーツ少年団活動は、無理な状況になると痛感しました。

当時は(今もですが)、スポーツ少年団には母集団(親の会的なもの)が必要で、会計も活動など役員会などを開いて決めていました。指導者の私は、母集団から依頼されてボランティアの指導者という位置づけで、仕事をしながらでは大変な労力を費やしていました。母集団は子供たちの卒業とともに役員構成も毎年変わります。そんな時、母集団をなくして、広域的なクラブチームを立ち上げることを考え始めます。学校の枠を取っ払い、だれでもが参加できるコミュニティーをつくろうと現在に至っております。私たちが、良い選手だけを選ぶセレクション(選択)を行わないのは、このような背景があるからです。

最近、地元紙を見ていると、「少子化に負けないで・・」というような見出しで、中・高校の部活の合同チームの記事が目を引きます。中学校、高校野球での合同チームが数チーム、それが毎年増加しています。小学生の野球チームも秋田市内で合同チームを結成して試合をしています。サッカーでも、スポーツ少年団の合同チームが目立ってきています。中学校の部活の土日の民間移行など、目に見える現象がここ数年表面化してきています。子供たちを取り巻くスポーツ環境も、ゲームの普及、習い事の多様化、父母のスポーツに対する意識の変化など顕著になっています。これらのことを考えると、「少子化とスポーツ」が、ここ数年で大きな波にさらされることを覚悟しなければなりません。

これまでのように、勝てば、優勝すれば、強くなれば子供たちが集まるというようなことは通用しなくなります。まして、いい加減な活動をしていては、番外となります。私たち運営者、指導者はそのこと一時も忘れてはなりません。

リフレッシュ休み・・今日からまた楽しんでいきましょう。