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2021.06.19 更新

時代は「川の流れのように」・・

どーも 団長の佐藤勇一です‥№225

6月8日(火)の朝日新聞に「子供とスポーツ」という特集二面にわたって登載されていました。その見出しは、「親の手伝い当番・・週末が怖い」というものでした。あるお母さんは、「入団時は、親の負担はなにもない」と言われた」・・でも「いざ入ってみると強烈でした」というものです。また、中学校の教師の「部活をしたくて教員になったわけではない」という見出しの記事もありました。その内容は、私がサッカースポーツ少年団を結成して、その後「サッカークラブ」を立ち上げした経緯(いきさつ)そのものでした。

母集団といわれる「父母の会」的主導の運営を、指導者や理事会がすべての運営を行う組織にしたことを思い出しました。当時は、指導者が母集団である父母の会からお願いされているような形でしたが、家庭の負担をできるたけなくして、指導者を含めた子供たちの快適活動環境を提供するために「サッカークラブ化」を決断した当時を思い出しております。

当時は、私たちの少年団でも、会費も父母の会で管理し、用具なども父母の会から買ってもらうようにお願いしていました。遠征や大会に参加する場合は、父母のみなさんから自家用車を出してもらったり、自家用車に乗せてもらう他の選手の配分など、指導者も父母のみなさんも大変な労力でした。時には、お弁当も父母の会からいただいておりました。「毎週末に遠征や大会がある月は、父母からは家の掃除もできない・・」と後になって言われたこともあります。

父母の会からお願いされているような形の指導者は、もちろん会社員や公務員、個人事業主などさまざまな仕事を持っていて、仕事の都合で、練習に来れないことも多く、その時間は子供たちだけの活動だったり、父母が「当番」みたいな方式で対応していました。指導者はほとんどが無償ボランティアで、ほとんどの余暇時間を子供たちのために使っていたように思います。

そもそも「スポーツ少年団」が発足した経緯は、前回の東京オリンピック開催時に、「少年期のスポーツを振興・発展させよう」と組織されたものです。それまでの少年期のスポーツのほとんどは、学校の部活動として行われており、指導者は学校の教師が当たり、スポーツ大会は校長会が主催、運営していました。

「スポーツ少年団」の発足とともに、大きく変わったのが、少年期のスポーツが「学校教育の部活動から社会体育に移行された」ことが大きな変化でした。それに伴い、指導者も学校の教員から民間の指導者に託されていきました。しかし、その変化に対応できないスポーツ団体も多く、野球などはその後も長く学校の部活と位置付け、田舎では大会を学校行事として行っていました。学校体育と社会体育がごっちゃ混ぜの時期が続きました。

スポーツ少年団の結成は、学校の対抗戦みたいな形を取り払って、学校という枠をフリーにしたことが大きな変革でした。学校の部活では、学校の方針で部活動の種目が決まっていましたが、部活にない種目をしたい子供たちは、大変な時代でした。小規模の小学校では特に制約があって、必ず部活に入らなければならない・・という暗黙のルールもあったようです。「自分のやりたいスポーツができない、自分にどんなスポーツが合ているか挑戦ができない」このようなジレンマがあった子供も多くおりました。学校の枠が取り払われても、学校単位の対抗戦が続いてしましたが、急激な少子化の影響もあって、近年ようやく学校枠を取り払ったスポーツ少年団が多くなってきました。そして、学校の部活にはない多くの種目のスポーツ少年団、スポーツクラブの活動が活発になって、現在に至っています。

当初のスポーツ少年団は、対象が小学生、中学生、高校生となっていたと思います。しかし、中学校には中体連、高校には高体連という組織があって、なかなか小学校のような変遷はみられておりません。中学年代になるとともに、サッカーの場合は、子供たちは中学校の部活動と社会体育的なサッカークラブの選択となります。学校の部活チームは、中体連主催のサッカー競技大会、クラブチームは日本サッカー協会クラブユース連盟主催のクラブユース選手権大会と別々の大会をめざしています。しかし、以前は部活とクラブの交流は高円宮杯だけでしたが、現在はリーグ戦化が進んでオープンとなっています。中学・高校生年代のスポーツ少年団の活動は、海外とのスポーツ交流などを行っているようです。

まもなく東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、二回目の開催を契機に、子供たちのスポーツについても様々な面から考える良い機会であると思います。

「やってやれないことはない、やれないところはちょっとの努力・・」。時代は「川の流れのように・・」良い方向に流れていきます。子供たちのスポーツ環境を考えて、今週末も頑張って行きましょう。