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2020.08.11 更新

景観という資源

どーも 団長の佐藤勇一です‥№36

『景観という資源』
かつて、ドイツサッカーの名門バイエルン・ミューヘンがある町、ミューヘンを訪問したことがあります。町のグリーンツーリズム海外研修の引率で、ミューヘンの農村や農家民宿、農家レストラン、農産加工品などを手掛ける農家を見学するものでした。ミューヘンといえば、ビールとソーセージがおいしいことで知られていますが、私が感動したのは、農村風景のすばらしさでした。広大な草地がきれいに管理され一面が芝生のようです。道路や家の回り、窓際には花が咲いています。周辺の山々と調和した風景は、景観そのものが観光資源であると一目でわかります。

農家の軒先では、その農家の手作りのハムやチーズ、バターなどの自家製の乳製品などが販売されていました。農家それぞれの製法が違うので、味にも農家の個性があるそうです。農産加工の認可も規制緩和され、直売での収入が毎年増加しているという話を聞きました。酪農農家は、直売所や小屋を改造して農家レストラン、農家民宿などを経営しています。日本でいう「六次産業」を実践しているのです。製造・販売許可の規制緩和で、農家が自分で生産したものに付加価値をつけて販売するという、豊かな農村がそこにありました。その下支えとなっているのが、EUの農家育成の施策とのことで、潤沢な補助金が六次産業化に注がれていました。

人口が減少し、田舎では高齢化がどんどん進み、あちこちで限界集落という言葉も聞かれる昨今の秋田県。産業の振興や企業の誘致で若者の流失を防ぎたいのですが、有効な方策は見いだせていません。国際教養大学など優秀な人材を育成する教育機関はあっても人材は県外に流出し続けています。さまざまなミスマッチがそこにありながら、私が提案した、新型コロナウィルスの逆境をチャンスととらえて超優良企業の本社機能を秋田県へ移転促進する活動もままならないようです。地震や台風の被害が少ない住みよさ、大雨でも水田がダム機能を発揮して自然との共生が進んでいる秋田県。見方を変えると、「こんなに素晴らしい県はないのになぁ・・」と思わざるをえません。子供たちがこの秋田県に残って生活をしたい、県外の大学で学んで帰ってくるぞ、という秋田県になってほしいとみんな思っているんです。全国どこに行っても金太郎あめのような施策ではなく、「若者が残り、帰ってくる施策」(スティ秋田、カムバック秋田)それに特化した政策を実践するには絶好の機会のような気がします。景観も考え方と実践によっては観光資源となるのですから・・。

さて、スポルティフタウンの景観について少しお話をしたいと思います。小山に囲まれたスポルティフタウンは、年3回の草刈り作業を行ってもらっています。5月に一回目、昨日第二回目の作業が終わったことの報告に、佐藤善之社長が自宅に来てくれました。ミューヘンの農村とはスケールが違いますが、人工芝と刈り取られた草地、山々の緑はほどよく調和して、スポルティフタウンで練習する子供たち、見学に訪れる父母のみなさんの心を和ませてくれます。私たちは、子供たちがこのような自然環境に恵まれた場所で心身を鍛錬して、 日々切磋琢磨を重ね、大きく羽ばたいて次代の秋田県を創造する人材に育つことを願っています。

佐藤善之社長は、以前のblogでも紹介したように、クラブのOBです。全国大会、東北大会優勝など多くの実績を残しています。本業の合間に、スポルティフタウンの環境整備に尽力してもらっています。この場を借りて、心から感謝いたしております。