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2020.07.14 更新

「評価」と「勘違い」

どーも 団長の佐藤勇一です‥№9

『評価と勘違い』
学校の先生方も悩んでいると思います。
自分が教えている子供の成績を自分が評価することについて、大変な葛藤をしているのではないでしょうか。自分が授業をして、その評価を通信簿に表すのですから、子供たちを通じて教師自身が自分を評価しているのです。これは大変なことですよね。それはサッカーを指導している私たちにも言えることです。

さて、バスの運転手をしていると、子供たちの会話が強制的に耳に入ってきます。毎年この時期、子供たちに多い話題は、トレセン選考会や対戦相手の話です。「○○くんはトレセンに選ばれているから良い選手だね」などの情報が飛び交うようです。子供たちの情報収集能力はすばらしいものです。

そこでよく子供たちに、試合の結果は点数で表れるが、良い選手とはどんなところが良くて、誰と比較して良いといっているのか、と話すことがあります。誰に聞いたのかはわかりませんが、みんながそう言っているから・・ということが多いようです。だったら、今度そのチームとの試合があるので、終わってから感想を聞かせてもらうよ、と一旦話題は終了となります。

それから数日後、どうだった。「あの選手、あまり大したことなった」という回答の方が多くあります。人を選び評価するということは、非常に難しいことです。毎日一緒に練習を担当している指導者が二人いたとします。同じ選手を見る目、評価は違うのが当たり前のことなのです。チーム分けの時に私は悩みます。そのためにテストマッチを行います。そこには目に見えないものがあります。気力、向上心、思いっきりの良さなどなど・・選手には目に見えない個性が存在します。選考というのは、難しいものです。

常に現時点での選考と自分に言い聞かせ、行っております。選考後は子供たちに理由を説明しています。全日本少年サッカー大会が8月初旬から12月の年末に開催されることによって子供たちのモチベーションも長く持てるようになりました。夏休みを過ぎるころあたりから、子供たちの身長がグーンと伸びるようになります。身長と並行してパワーもアップしてきますので、春先とは別人のように成長する選手も多く出てきます。

これは私の考えですが、第一育成期は幼児から小学2年生あたりまでの「ボール遊び」のころです。第二育成期は小学高学年までの「徹底的な個人技の習得」期となります。そして、サイズが大きくなる6年生の夏休み頃からは、第三育成期で「個人技」と「スピード」がミックスしたプログラムが用意されます。「個人技を習得している」ことによって、第三育成期は別人をさらに別人にすることらなります。ここから中学年代に向けて本格的な育成期間となります。小・中一貫というクラブの意義がそこにあります。

ここで子供たちには、早く成長する「うさぎさんタイプ」とコツコツと積み重ねて後からぐんぐん成長する「かめさんタイプ」があります。よく目にしませんか。小学生では身長が高くがっしりとした体の子供が、大人になって見るとそんなに大きくなっていなかったり、体が小さかった子供が180cmを超していたりすることが多々あります。

勘違いというのは、ここから生まれます。早熟の子供は、その時期身長も高く、足も速くパワーもあるので目立ちます。そして活躍をします。子供はもちろん親もその気になります。ところが年を重ねると、「おかしいな、うちの子供はもっと成長してもよいのに・・」と思うようになり、いつしか普通の選手になっていることがあります。そこで勘違いに気づきます。そして親が先に挫折してしまう例をいくつか見てきました。

話をもどしますが、前述したように、子供たちは日々成長して、ある時期に別人のように成長する時期があります。この夏休みを境に、多くの子供たちが別人になります。現在の評価は、変化するということです。私はいつも勘違いをしないようにと自らに言い聞かせています。子供たちの今を見ながらもっと先を魅(み)て指導することを心している昨今です。